翌日も、そのまた翌日も。 いくら待てど芹沢がやってくることはなかった。 なんとなくそんな気がしていた流は、周りに芹沢のことを訊ねることもなく。 いつものように、ようやく慣れてきた女中の仕事をせっせとこなす日々が続いた。 このところ烟(けぶ)るような雨ばかりが空を支配している。 9月16日──── その日も朝からずっと雨が降りそそいでいた。