バタンと部屋のドアを勢いよく閉めて、ベッドに飛び込んだ。


居心地のいい場所に戻ってきて落ち着いたのか、目から涙がこぼれ落ちてきた。



「……っ」



いろいろな思いが頭の中をぐるぐると駆け巡る。



“あの子の頬の火傷跡、痛そうねぇ”

“何があったのかしら”

“最近あるあれじゃない?“

”虐待とか“

”可哀想にねぇ”



私に向けられて発された言葉の数々が、まだはっきりと耳に残っている。


今日が初めてじゃない。


私が引きこもりになる前から浴びせられてきた言葉たち。


それが嫌で学校に行くことも、人に会うこともしなくなった。


アオイさんに出会って、香純ちゃんと藤波くんに出会って、やっと世界が変わってきたと思っていたのに。


やっぱり私は、あの頃から何一つ変わってなんか居なかった。


優しい人たちが近くにいたから、錯覚していただけだった。