こちらに見向きもしないから、私のことなんて知らないだろうと思っていたけど、そうでもなかったらしい。
そして毎朝彼と一緒にいる、日焼けした運動部っぽい雰囲気の彼は、前田というようだ。
「なんだ、前田くん、雨月ちゃんのこと知ってたんだ。だからY女子の子を紹介してって言ったの? 断ったとき、実はショックだったのかな」
芽衣が、首を傾げながら会話に入ってくる。
「たしかにY女子の子を紹介して、とは言ってたけど、雨月ちゃんが芽衣の友達だとは知らなかったと思う。僕も、今初めて知ったし」
「そっか、そうだよね」
すっかり心が通じ合っているように、和やかに言葉を交わす芽衣と宵くん。
ふたりとも打算がなさそうで、ほのぼのしていて、はたから見てもお似合いのカップルだと思った。
そこで宵くんが、再び私に目を向ける。
「芽衣から聞きました。雨月ちゃんのお兄さんが、僕の兄の友達だったんですよね?」
「はい。佐原一輝って言うんですけど」
「そっか。兄ちゃんにも、ちゃんと友達がいたんだ」
泣いているような笑みを浮かべる宵くん。
悲しみの底を知っている人しか、できないような笑い方だと思った。
芽衣が言っていたように、彼がいまだ冬夜の死によって深い悲しみを引きずっているのがわかって、胸がズキリとした。
そして毎朝彼と一緒にいる、日焼けした運動部っぽい雰囲気の彼は、前田というようだ。
「なんだ、前田くん、雨月ちゃんのこと知ってたんだ。だからY女子の子を紹介してって言ったの? 断ったとき、実はショックだったのかな」
芽衣が、首を傾げながら会話に入ってくる。
「たしかにY女子の子を紹介して、とは言ってたけど、雨月ちゃんが芽衣の友達だとは知らなかったと思う。僕も、今初めて知ったし」
「そっか、そうだよね」
すっかり心が通じ合っているように、和やかに言葉を交わす芽衣と宵くん。
ふたりとも打算がなさそうで、ほのぼのしていて、はたから見てもお似合いのカップルだと思った。
そこで宵くんが、再び私に目を向ける。
「芽衣から聞きました。雨月ちゃんのお兄さんが、僕の兄の友達だったんですよね?」
「はい。佐原一輝って言うんですけど」
「そっか。兄ちゃんにも、ちゃんと友達がいたんだ」
泣いているような笑みを浮かべる宵くん。
悲しみの底を知っている人しか、できないような笑い方だと思った。
芽衣が言っていたように、彼がいまだ冬夜の死によって深い悲しみを引きずっているのがわかって、胸がズキリとした。



