「ひーな」 ぼーっと、写真を眺めていたら廉くんに声をかけられてびっくりして肩があがる。 そんな私を見て何を思ったのか、廉くんは またあのときの顔をした。 悲しそうな寂しそうな顔。 「ひいた?」 自嘲気味に聞いてくる廉くん。 こんな、悲しそうな廉くん初めて見た。 悲しくなって、目がウルッとした。 「ごめん、怖いよね?」 「ちがっ、」 否定しようとした私の言葉は最後まで言わせてくれなかった。 廉くんのそれで口を塞がれたからだ。 「んっ、」 「でも、もう手放す気ないから」