ゆるやかにカーブを描いた口元。
その様が、まさに美。もうこれ以上の言葉なんていらない。
「う、で、でも、敬語とってくれって朝水くん直々のお願いだったから」
「……そりゃ、同級生に敬語使われるのはいい気しないし。あと、距離おかれてる感じがして、いや」
「ご、ごめんね……」
ほんのりと琥珀色がかった淡い瞳を細めて笑う姿は、さすが兄弟。ちょっとだけ、似てる。
……でも、そうだなあ。
ナルくんは笑う時に眉尻が下がって口角がきゅっと上がるけど、朝水くんは平行のまんまで、口元もやわらかな曲線をえがいてる。
声音も朝水くんのほうが若干低いし、真顔の時も、笑っているように見えるナルくんみたいな顔ではなく、ほんとに〝無〟の表情。
……うん。
やっぱり、似てるようで、全然ちがう。
「……じゃあね、葉柴さん」
「ちゃんと寝ないように気をつけてね、朝水くん」
「……がんばる」
苦笑いした朝水くんと、ほんのすこしだけ、距離が縮まったような気がした。



