剣を構えたジルだったけれどフェイムが宥め、私達を交互に見た。



「守護竜、リュードル=ゼナサス……その存在で間違いないでしょうか」


『知識のある人の子で良かった。如何にも、我はこの国の守護竜である。我が国の聖女が、お主らを巻き込んでしまったようだな』


「俺達にも原因はある。まあ、お互い様ってところだ。報酬はがっぽりいただく予定だから文句はない」



おーい、いつ報酬がそんな大金になっているんでしょうか。


今更文句は確かに言えないから言うことは無いけれど、リュードルから向けられた視線は本気か?とでも言いたげだ。


仕方ないのよ、これしか方法がないって言われたんだもの。


やると言う選択肢しか私にはないんだから、やってやる!


『しばらくこの地を離れるが、その策はあるのだろうな?』


「あ」



見落としていた。


そうよね……この土地を離れたら一体誰がこの結界を守るっていうのよ。