「自分勝手な申し出だってことは分かってる。でも、私聖女の力以外に使える魔法もないし、一人旅は不慣れだし……あ!もちろん報酬は払うから安心して!」



ギルドで得られた収入はそこまで大きな額ではないけれど、後払いでもなんでもいいからとにかく着いてきてほしい。


「俺たちに護衛をしろと?」


「そうよ。お願い!足でまといにはならないって誓うから!私に雇われてほしいの!」


必死に二人に訴えかけると、顔を見合わせて目線で会話する二人をただじっと見つめた。


断られたらギルドでまだ信用できそうな人に声を掛けようかと次のことを考えていると、ジルが重たいため息をついた後、私の目の前にやって来た。


「……クリスタルを壊した原因も少なからず俺達のせいでもある。大森林までの護衛のみの契約と、俺達の歩くペースに着いてこられないようなら一人引き返してもらう、いいな。こちらは王からの任務の途中でもある、ダラダラ行動するつもりなら問答無用で切り捨てるから覚悟しろよ」


「嘘!いいの?!」


「あんたからの提案だろうが。嘘も何もあるか」



てっきり断られるかと思っていたが、あっさりと上手くいってしまった。

安心感と喜びが混じり合い変な感情に包まれているような感覚だ。