逞しい所見られて、女っ気のないこんな姿見せて……なんて最悪なの。
「まあ、視察と名乗ってリゼに会いに来たんだけどな」
「え……」
「当然だろう?この一ヶ月もの間、この日のために色々と溜め込んでいた仕事を終わらせてやって来たんだからな」
指の隙間からジルの顔を見れば、ほんの少しだけ照れくさそうに笑っている。
「それに……!」
恥ずかしさを捨てるように楽しそうに笑うジルが、いきなり私の脇に手を忍ばせたかと思えばそのまま上へと高く持ち上げた。
「きゃっ!!」
突然のことに顔から手を外してしまい、真っ赤になった顔をジルに曝け出す。
「未来の旦那様と挙式を上げる日には、俺とフェイムを呼んでくれって約束したろ?」
「っ……でも、私達、そのっ!」
お互いの思いは通じあってはいる、そう分かってはいるけれどまだそこにたどり着くための心の準備は整っていない。



