突っ走って病院に来たのはいいものの、どうすればいいのかわからず、入り口で立ち尽くしていた。
星那は、確かにここで久我君を見かけたのだろうけど、今も久我君がここにいるとは、一言も言っていない。
ここで会える保証なんて、されていない。
それに気付かずに来てしまうとは、勢いというものは恐ろしい。
帰ろう。
そして、教えてもらえるかわからないけど、お姉ちゃんに聞こう。
そう思って踵を返すと、高瀬先生がいた。
お互いに目が合い、固まる。
先に表情を崩したのは、高瀬先生だった。
しかし、高校時代のときのように睨んできたわけではない。
まるで助けを求めているような、そんな目をしている。
「織部さん、侑生に会いに来てくれたの?」
来たの、ではなく、来てくれたの、と言った。
その言い方が、高瀬先生らしくないと思った。
あんなに、私が久我君と関わることを嫌がっていたのに、どういう風の吹き回しだろう。
「いや、私は」
昔の慣れだろうか、私は否定しようとした。
でも、先生の言った通りの理由でここに立っているから、否定できなかった。
「侑生、今ここに入院してるの」
先生は私の話を聞かず、私の腕を引っ張っていく。
言われずともわかる。
これは、久我君に会ってしまう流れだ。
星那は、確かにここで久我君を見かけたのだろうけど、今も久我君がここにいるとは、一言も言っていない。
ここで会える保証なんて、されていない。
それに気付かずに来てしまうとは、勢いというものは恐ろしい。
帰ろう。
そして、教えてもらえるかわからないけど、お姉ちゃんに聞こう。
そう思って踵を返すと、高瀬先生がいた。
お互いに目が合い、固まる。
先に表情を崩したのは、高瀬先生だった。
しかし、高校時代のときのように睨んできたわけではない。
まるで助けを求めているような、そんな目をしている。
「織部さん、侑生に会いに来てくれたの?」
来たの、ではなく、来てくれたの、と言った。
その言い方が、高瀬先生らしくないと思った。
あんなに、私が久我君と関わることを嫌がっていたのに、どういう風の吹き回しだろう。
「いや、私は」
昔の慣れだろうか、私は否定しようとした。
でも、先生の言った通りの理由でここに立っているから、否定できなかった。
「侑生、今ここに入院してるの」
先生は私の話を聞かず、私の腕を引っ張っていく。
言われずともわかる。
これは、久我君に会ってしまう流れだ。