元の髪が短いんだから、ドライヤーとか慣れてなさそうなのに、全然慣れている。 けれど、雑なんかではない、美容院の時のような心地よさがあった。 「寝るなよー?」 そんな声だけは、ドライヤーの向こう側から聞こえて来たから。 「寝てないし」 そう答えたら、柔らかく、頭の上を撫でられたような気がした。