「……ぜったい?」
「ぜったい。
なに、呼びたい男いんの?」
『どこのどいつ?
あー……頭おかしくなりそう』
「っ、いない、けど……っ」
「ならいいじゃん。
俺だけで」
『他の男に胡桃のかわいい声聞かせるとか正気でいられる気しない」
っ〜!!
「わ、わかったから、早く買い物行こうよ……」
「ホントにわかってる?」
『胡桃は、自分がどれだけかわいいかわかってない』
「わかってる!
だからこの手、はなして……!」
「だめ。
前にスーパーで変な男に引っかかってただろ。だから離さない」
『牽制だよ。分かれよ』
分かんないよ……。
それから結局、そのままスーパーへと行ったわたしたち。
ただでさえ遥はマスクをしていてもオーラが目立つというのに、私の心はいろんな意味でうるさかった。



