「早退してまで来てすみませんでしたー」 「いや、朱莉ちゃんが来てくれて助かったよ。でも、もう来ちゃだめだから。あ、それからあの日のことゆづには内緒な」 「言わないよ、結月が知ったら気にするでしょ」 「うん、ありがと」 碧人くんはそう言うと私の頭をポンポンと優しくなでる。 ああ、その子供みたいな扱いはやめてほしい。 結月、早く気づきなよ。 こんなにも結月のことを大切に思っている人がそばにいるってことに。