うまくいえなくてもどかしい。


それでも気持ちは伝わったようで、ようやくキツネは笑ってくれた。


その頬が上気して赤く染まっていく。


キツネはその勢いのまま良介の手を取り、立ち上がった。


良介はつられて立ち上がり、踊りだす。


お稲荷さんタワーを囲むようにしてグルグル回り続ける。


いつの間にか外は電球が消えて暗くなっていたけれど、それにも気がつかないまま、時間は過ぎてゆくのだった。