「いつもいつもお稲荷さんを持ってきてくださってありがとうございます」
「そうそう。良介さんが持ってきてくれるお稲荷さんはとってもおいしいのよね」
あちこちから声をかけられて、良介は誰に返事をすればいいかもわからず愛想笑いを浮かべる。
とにかくキツネたちに歓迎されているということだけは理解できた。
キツネたちは良介と稲荷のために場所を開けてくれて、そこに座ることになった。
赤い座布団はフカフカで、まるで高級ソファのよう。
出される料理はお稲荷さん。
「さぁ、好きなだけ食べてください」
そういう稲荷は隣ですでにお稲荷さんを口に入れている。
その時腹の虫がグーっと鳴った。
非現実的なことが起こりすぎて空腹を忘れていたけれど、今はもう夜が近い。
それに素飯のいい香りがして、良介はお稲荷さんをひとつ口に放り込んだ。
その瞬間驚いて目を見開いた。
その味は良介の母親が作るものと瓜二つだったのだ。
「この味、なんで……」
「なんでって、良介さんが持ってきてくれるお稲荷さんだから、その味になるのは当たり前でしょう?」
稲荷にそういわれたら、そうなのかと納得するしかない。
「そうそう。良介さんが持ってきてくれるお稲荷さんはとってもおいしいのよね」
あちこちから声をかけられて、良介は誰に返事をすればいいかもわからず愛想笑いを浮かべる。
とにかくキツネたちに歓迎されているということだけは理解できた。
キツネたちは良介と稲荷のために場所を開けてくれて、そこに座ることになった。
赤い座布団はフカフカで、まるで高級ソファのよう。
出される料理はお稲荷さん。
「さぁ、好きなだけ食べてください」
そういう稲荷は隣ですでにお稲荷さんを口に入れている。
その時腹の虫がグーっと鳴った。
非現実的なことが起こりすぎて空腹を忘れていたけれど、今はもう夜が近い。
それに素飯のいい香りがして、良介はお稲荷さんをひとつ口に放り込んだ。
その瞬間驚いて目を見開いた。
その味は良介の母親が作るものと瓜二つだったのだ。
「この味、なんで……」
「なんでって、良介さんが持ってきてくれるお稲荷さんだから、その味になるのは当たり前でしょう?」
稲荷にそういわれたら、そうなのかと納得するしかない。