直感的にそう感じていた。


この鳥居は神の使いの道。


今回はそれを偶然使わせてもらうことになっただけだ。


「じゃあね!」


涙を押し込めて元気良く言ったそのときだった。


稲荷の後ろにキツネたちが集まってきていた。


キツネたちは手にお稲荷さんを持っていたり、杯を持ったりしながら「またなぁ!」


「いつでも帰っておいでぇ!」など、思い思いの声をかけてくる。


良介は一度大きく目を見開き、そして満面の笑みを浮かべた。


見ると、稲荷も笑っている。


「みんなありがとう! 楽しかったよ!」


良介は大きく手を振って、そして小さな鳥居をくぐりぬけたのだった。