「月影大丈夫だった?」 「…ああ」 「あの人は誰なの?私を知っているの?」 「奴は何か言っていたか?」 「いいえ。ただ私の名前を呼んでいたから」 「そうか…」 それから月影は黙ってしまった。 「ねえ…」 「なぜ外にでた?」 他にも聞こうと思ったが話を遮られる。 いつもの彼とは違う。 月影怒っているのかしら。 「えっと…その、ごめんなさい」 「それは…?」 緊迫した空気の中、彼が私の手に持つ籠に気づいて聞いてきた。