「人間も見る目があるな。実際に私は魔界の皇太子だからな」 「はあ?」 「なんだ?」 「嘘だあー!」 「嘘ではない」 天界だの魔界だのは、いいとして皇太子はさすがに無理があるでしょ。 私をからかっているんだわ。 「寝言は寝て言いなさいよ」 「ねっ寝言だと?」 「じゃあ魔界の皇太子が人間界で草摘んでいるわけ?」 「…そうだ」 真面目な顔の紅蓮に吹き出す。 「なぜ笑う」 「わかったわかった。じゃあ皇太子様〜。薬草探しましょうね〜」 「…」