朝起きると紅蓮の姿はなく、月影の衣と引き換えに黒服がなくなっていた。 やられた…去らないって言ったのに逃げたわね。 腹を立てていた白蘭だったが、すぐに機嫌が直った。 「白蘭。起きたか」 「紅蓮!」 外から戻った紅蓮が家の中に入ってきた。 「逃げたのかと思ったわ」 「私はそんなに信用ならない男か?」 ふっと笑う紅蓮。 昨日の思いつめた顔でなくて良かったわ。 「晴れていたので、周辺を散策していた。人間界にはまだ慣れなくてな」 そうだわ。月影は天界の人で、紅蓮は魔界の人なんだっけ?