羅刹も微笑んでいた。 白蘭を逃がすために蓬莱は最後の力を振り絞って、法術を使うと白蘭の純白の翼を黒く変えた。 しかし弱った法術ではすぐに色が戻り白銀の翼へと変わった。 これで天女の娘とは誰も思わないだろう。 「っう!」 ゴホッと喉から何かがこみ上げてきて口を赤く染めた。 「天女様!血が!!」 慌てて蘇生術をかけようとする二人を手で制した。 震える手で最後の白い羽を抜き取り首飾りを作り白蘭の首にかけた。 「…白蘭。愛しているわ」