「俺の研究部屋だ。ここで色々と新しい魔法の開発の実験を行っている」
「魔法の……」
「普段、俺しか使わない部屋だ。下手に誰かに部屋に入られて、掃除でもされたら……実験途中の魔法が発動して怪我をさせてしまう可能性を考え、城で働く者達には一切近づかないようにしてもらっている」
庭園といい、レイは自分の魔法で何かあった時のことを考えて、人を寄せ付けないようにしているんだ。
てっきり自分のものには一切触れてほしくないという気持ちからかと思っていたけれど……やっぱり、冷徹非道なんて呼ばれる人なんかじゃない。
誰かに傷ついてほしくなくて、だから人を遠ざけている不器用で優しい人。
ここに来る前は、民衆の前に姿を表すことなんてほとんどなかったし、噂だけを全て鵜呑みにして恐ろしい人だと勝手に勘違いしていた。



