綺麗になった体に満足気に笑みを浮かべていると、湯冷めする前に上がりましょうと、ユツィーの声掛けに名残惜しい気持ちのままお風呂から上がる。


 寝巻きに着替えて部屋の椅子に腰掛けると、私の濡れた髪をユツィーは丁寧に乾かし、優しく梳かしてくれた。


 花のいい香りが髪に纏って、気分までも柔らかい気持ちになる。


 いつの間にか夜が支配した夜空には、瞬く星がキラキラと輝いていた。



「ルフィア様、体が冷える前に寝台にお入りください」



 窓から見える夜空を見つめながら頷いて、言われた通り寝台へと足を運ぶ。



「ルフィア様」



 もちろん、困惑しているようなユツィーを連れて。



「一緒にお風呂に入ったなら、一緒に寝るのが普通なのよ」



 ユツィーの返答を待たずに、寝台の中へ一緒に飛び込むとフカフカな手触りが体を包む。



「睡眠は不要です」


「私はユツィーと一緒に寝たいの」



 今朝のような夢を見て苦しくなったら、彼女の手を握りたい。


 優しく私を世話してくれる、人形でも愛情を持つ彼女に。


 怖い夢を見ても、彼女の優しさに包まれれば安心できる気がするから。