きっと神様もこんな私だけど、少なからず愛してくれていたんだろう。

 誰かを愛することを教えてくれた彼の手をそっと取った。


「ええ。これから先も貴方の傍で笑っていたいから、その権利をレイにあげる」

「スキルのように上書きしたいだの解消したいだのと言われても、俺は全力で断るからな」

「大丈夫よ。私もレイのこと愛しているもの。だから、私にもレイから愛される権利をちょうだい?」


 レイに触れたくて手を伸ばすけれど、その前に唇に優しい温もりが触れた。

 甘く蕩けるようなその感覚に、胸が熱くなる。

 唇から離れたレイの口元が強気な笑みを浮かべて、挑むようにこう言った。


「溺れる程の愛を注いでやるから、覚悟しろよ?――俺のルフィア」


 受けて立ちますとも、そう宣言するかのように、レイの着ていたシャツの襟をグイッと引っ張って踵を上げた。

 近づいてきた顔に何故か唐突に恥ずかしくなったけど、逃がすものかと唇を塞がれた。

 互いの温度を確かめ合うように、何度も触れ合っては、やがて熱く溶け合っていく。

 甘い甘いキスに溺れながら、キラキラと耀く幸せを導く銀色の髪を風に靡かせ幸せを噛み締める。

 その幸せを祝福するように、ロマンテの花が揺れる。



 ――花言葉は、永遠の深い愛。



 その花言葉を刻むように、私達は幸せに身を包んだ。