改めてお礼を言おうと、振り返った男性に身体を硬直させた。


「上手く脱出できたかな?ルフィアったら、もう少し堂々としてないと逆に目立っちゃうよ」

「フィッ、フィール王子……!」


 透き通る青空のような澄んだ水色の瞳に顔を覗かれて、声が詰まる。

 こうして人間の姿になったハイネ、いやフィール王子と二人きりで会話をするのは実は初めてだ。

 あのフワフワが目の前にあったら、何も気にせず喋れる気がするのにっ!


「僕が王子って思うと少し緊張する?」

「はっ、はい……」

「今まで一緒に生活してきた中じゃないか。そう構えなくてもいいのに」


 そこが一番の問題点なんですよ!!

 恥ずかしいことたくさんしてきちゃったじゃないですか!!