エオノラが反省の言葉を伝えたら、顔を背けていたクリスと目が合った。
「続きはないのか?」
「えっ? 続けていいんですか?」
エオノラは目を瞬いて首を傾げる。
強制的に食べさせられたのが嫌だったから叱ったのではなかったのだろうか。
「私は芽キャベツが嫌いだ。全部食べて欲しいのなら、エオノラが食べさせる以外に方法はないが?」
その言葉を聞いて、エオノラはようやくクリスがこちらを揶揄っているのだと理解した。再びエオノラの顔が真っ赤になる。
「もう、クリス様は意地悪ですね」
「意地悪? 私の嫌いな芽キャベツをたくさん入れたエオノラの方がよっぽど意地悪だ」
言い返したクリスは、いつもより楽しそうに笑う。
「さあ続きを。あなたに食べさせてもらえるなら、どんなに嫌いな食べ物も至高になる」
クリスはそう言ってエオノラに最後まで芽キャベツを食べさせてもらうのだった。



