君が生きていれば、それだけで良かった。



 これは新学期どころか、かなり学校に通っていないのではないか。

 ふつふつと嫌な予感がして、彼の様子をうかがいながら廊下を歩いていると、後ろから「アッパレくんじゃん!」と絶叫が聞こえた。

 振り返れば、馬鹿にしたような笑みを浮かべた男子生徒三人が、こちらに向かってくるところだった。縁川天晴は、彼らから逃げるように足を早める。

「逃げんじゃねえよ」

 しかし男子生徒は走ってきて、縁川天晴の肩を掴んだ。