* 王子side *(1ページ)
『え、っと、その……私、朝比奈心愛は
――貴方のことが好きです』
う、そ、でしょ……。だってアイツ、涼央と仲良さそうだったじゃないか。
涼央もそんなこと言ってただろうし。
いや……嘘だろ、きっと。俺のことが好きだなんて、なあ。
「あ、のさ。信じろって、言うの……?そんなこと」
「そうです、信じてください……!返事、遅くなってごめん。
それに、酷いこといってごめん……。自分勝手だよね。
あ、いや、もうこんな奴、好きなんかじゃないよね……」
心愛は、悲しそうに、顔を赤らめながら言った。
好きかどうかなんて、そんなの……
「――俺は、たとえ涼央といるところを見ても、近づくなと言われても
どんなことがあっても、一度も好きじゃなくなったことなんてない。
ていうか、ずっと前から。はじめて話したときから、姫、心愛が大好きだ。
心愛、――俺の彼女になってください」
【 王子side 終 】



