言ってから後悔した。ごめんって言えばよかった。 ……なのに、自分の間違いを認めたくなくて、そのまま部屋に閉じこもった。 翌日、謝ろうと心に決め、部屋を出た。 そこには、落ち着いた様子のお母さんがいた。 『お母さん。昨日はごめ――』 『心愛、いい子にしてるのよ。希星をよろしくね』 え……? 気づいたときには、お母さんは家を出ていた。 どういう、こと……? 小六だった私は、状況もつかめないまま呆然と、そこに立っていた。