本当は、許したくない自分もいる。けど……


「――いいよ。……まだ完璧に許しきれてはいないけど」



「……っ、ありが、とう」


過去のことなんて、変えられない。


だから、後悔をたくさんするんだろうな。


悔やんで悔やんで、前へと進む。



私も、過去に囚われすぎないで、前へ進みたい。


――いつか、完全に許しきれたときには、怜ちゃんも師匠もみんな誘ってカラオケに行きたいな。


そう思えるくらい、もう、少しは許せてきているのかもしれないな。