そうはいっても、行かないなんて選択肢はない。だから私は行くしかない。



――地獄のような場所へ。




「ダッサい地味ーなこーこあちゃんっ、今日もよく来たね?」


後ろから声がした。振り向きはしたけど、振り向かなくたって誰の声かわかる。


――野崎 夢乃(のざき ゆめの)だ。クラスのリーダー的存在であり、いじめっ子のボス。


その歌――といえるかはわからない――のほうがずっとダサい。


露骨すぎる嫌がらせが日常茶飯事となってしまったのは、いつからだっただろう。


そんなこと、考えてもなんにもならないけど。