人気(ひとけ)のない裏庭に着いた。 こんな状況になって、ようやく気づいた。 ――私、王子のことが、好きなんだな……。 私なんかが恋していい人じゃない。 いろいろな思いが混ざり、辛くて思わず涙が溢れる。 でも、これでよかったんだ……。これが、よかったんだ。 しばらくは無理だと思うけど、頑張って諦めるしかないね。 「はぁ……、がんばろ……」 「――何を?」