走って走って辿り着いたのは屋上への階段。



突然屋上が開く。


不良――たしかこの学校にはいなかった気がするけど――とか先生とかだったらどうしよう、と焦って急いで階段を降りようとする。




「ひ、め……?」


この声……ていうか、こうこう呼ぶのは――



「お、……う、じ……?」


どうしよう。今のこの状況が誰かに見られていたら、これ以上ひどい目に遭うに決まってる。


……それは、嫌だ……。


「ご、ごめん。もう会わないようにしよう。さようなら」


聞き取れるギリギリぐらいの早口で言って逃げようとした、が。