言えって言ったって……この声をまた馬鹿にされる未来しか見えないんだけど。


「ほら、言えよ。それから、ナイト様にもな」


そ、んな……。



――でも、それが当然か。


相手は学年一のモテ男子。そんな人と私なんかが釣り合うわけない。


今までのは、奇跡のようなものだったんだ……。




「わかりましたもう会いませんごめんなさい……っ」



早口でそう言って走って教室から逃げた。