「――俺もカツほしい」


さっきまで黙ってた――というか喋れる隙がなかった――王子の存在を今やっと思い出した。

そっか、一緒に来てたんだった。


そう考えると、さっきまでの時間は退屈だっただろうな……と申し訳なくなってくる。




「――絶対 今、 そっか、一緒に来てたんだった、とか思ってんでしょ」


ず、図星すぎて何も言えない。


王子は、まじかよ、図星か、と苦笑。


「ト、トテモ、モウシワケナク、オモッテ、オリマス……」


すると、不意に王子が顔を近づけてきた。


……な、何?!