髪を頑張って結ぼうとしたのに、なかなかうまくいかず、
結局一時間かかってしまった。
早起きしておいてよかったー。
メイクにも少し挑戦してみた。薄っすらだし、気づかないだろうけど。
そんなこんなで出発時間になった。
希星は
「おねーちゃん、なんかちがう。でも似あってるよ!」
と私の二時間の頑張りを褒めてくれたし、朝から幸せだなぁ。
待ち合わせの場所には、もう王子――騎士王子だと長くて言いづらいから、王子と呼ぶことにした――がいた。
「ごめん、待たせたね」
私が声をかけたのに、王子はこっちを見て固まっている。
もしかして……
「しんでないよね?!?!」
「しんでねーよ。ただ、可愛すぎて見惚れてた」
か、可愛いって……。恥ずかしくって顔が熱くなる。
「そ、そう思われたくて頑張ったのっ!!」