「泣きたい時は我慢しないで泣けよ。俺の肩なんていくらでも貸してやる」


「あり……が、とう……」


泣きすぎてまともに話せる状況じゃないって自分でもわかってはいたけど、

お礼はすぐ言っておきたかった。



――自分でも気づかなかったこと、気づかせてくれてありがとう。



「――ありがとう。もう、大丈夫」


騎士王子のおかげで少し楽になれた気がした。