「……無理、すんなよ」



え……



――そっか、私、無理してたんだな、ずっと……。



自分でも気づいていなかったのに。

いや、気づこうとしていなかったんだ……。


「……っ」



いつからか我慢してた涙はとめどなく溢れてくる。


このまま無理し続けてたらどうなってたんだろう、なんて考えると怖くなってきた。




次の瞬間、誰かに抱きしめられた。


まあ、この教室にいるのは私と騎士王子だけなわけだから……




――わ、私、今、騎士王子に、抱きしめられてる……?