「どっちだろうね?――じょーだんじょーだん。褒めてるよ」
たまに真剣な表情で見てくるから、その度にドキッとする。
「……っ」
顔真っ赤だろうなと思い、手で顔を隠そうとしたら阻止された。
「――いちいち照れてんの、かわいー」
もう……っ、誰のせいだと……。
「……その顔、他の人の前でしないでね?絶対」
「ど、どんな顔……?」
変な顔とか、してたっけ……。
「――その、誘惑するような顔」
誘、惑?って、どんな顔?
「……そっか、この人鈍感なんだった……ていうか……」
騎士王子はなぜか少し悲しそうな目で、独り言のように、ぶつぶつと呟いている。



