――ていうか、よく私だってわかったね。
「ほんとに……、ありがとうございます……」
この間のお返しとは言われたけど、今度何かの機会にお詫びしたいな。
キーンコーンカーンコーン
――え?!これって授業開始のチャイムだよね?!
「あの!本当にごめんなさい!じゅ、授業……」
「いいよ、どうせ受けないつもりだったし。……そうだ、先輩、来てよ」
ど、何処へ……?聞く暇もなく空き教室に連れて行かれた。
もしかして殴られたりとか……?いや、この人がそんな事するわけ……でも、人は平気で裏切れるし……うぅ、でも、この人はそんなこと……。
「安心して、何もしないから」
――この人の言葉は何故か信じられる気がした。



