え……っ
そこにいたのは、さっき保健室にいた一年のモテ男子――名前結局なんだっけ――だった。
「いまどき、“あんなことする奴ら”っているんだな」
“あんなことする奴ら”とは、野崎の率いるグループのことだろう。
ていうことは、見られてたのか……。
「あ、で、でも……次の授ぎょ――」
「いいから。平気」
そう言って散らばってたプリントをさっと集めてくれた。
そしてさらに資料室に運んでくれた。
「あ、の……なんとお詫びすればいいでしょうか……?」
「いいよ、そういうの。――あ、じゃあ保健室でのお返しってことで」
なんていい人なんだろう……。そりゃあモテるわけだ。