よし、じゃあ私は自分のベッドへ…… 「――待っ、て……」 その場から離れようとした私の腕を、彼は掴んだ。 「はい……?」 「名前、何」 へ……?名前? 「朝比奈、心愛です……」 「――ありがと」 「え?」 あ、看病したことについて、かな……?まあ他にないしね。 お礼だけ言って寝てしまったので、私もようやく自分のベッドへ。 ――あの人はいつもあんなふうに一人で苦しんでいるのかな。