大学時代、一人で本を読んでいる真央の姿が目に止まり、いつしか真央を目で追っていた。
そんなある日、理樹の彼女だと知って愕然とした。
阿部真央、僕の初恋の女性だった。
理樹から奪うなど考えも及ばず、静かに見守ることしか出来なかった。
「阿部、顔色悪いけど大丈夫か」
「東條くん、ありがとう、大丈夫よ」
「今日は東條理樹と一緒じゃないのか」
「えっ?」
「東條理樹と付き合ってるんだろ?」
「なんで知ってるの?」
「ああ、東條から聞いた、なんかあいつ、僕に懐いてくるんだよな、だから阿部の事も教えてくれたんだ」
「そうだったの」
「なあ、どこか悪いんじゃないか」
「大丈夫、ちょっと疲れているだけだから」
「送っていくよ」
「大丈夫だから放っておいて」
珍しくこの時、真央は声を荒げた。
既に癌が進行しており、真央の命の炎は消えかかっていたのだ。
それからしばらくして、真央の病状は悪化し、入院を余儀なくされた。
理樹は毎日病院へ足を運んでいた。
そんなある日、理樹の彼女だと知って愕然とした。
阿部真央、僕の初恋の女性だった。
理樹から奪うなど考えも及ばず、静かに見守ることしか出来なかった。
「阿部、顔色悪いけど大丈夫か」
「東條くん、ありがとう、大丈夫よ」
「今日は東條理樹と一緒じゃないのか」
「えっ?」
「東條理樹と付き合ってるんだろ?」
「なんで知ってるの?」
「ああ、東條から聞いた、なんかあいつ、僕に懐いてくるんだよな、だから阿部の事も教えてくれたんだ」
「そうだったの」
「なあ、どこか悪いんじゃないか」
「大丈夫、ちょっと疲れているだけだから」
「送っていくよ」
「大丈夫だから放っておいて」
珍しくこの時、真央は声を荒げた。
既に癌が進行しており、真央の命の炎は消えかかっていたのだ。
それからしばらくして、真央の病状は悪化し、入院を余儀なくされた。
理樹は毎日病院へ足を運んでいた。