ニューヨークには仕事で来ていたが、自分を見つめ直す為でもあった。
結婚を約束していた彼女が病気で帰らぬ人となった。
途方にくれていた、あれから五年も経つと言うのに、まだ新しい恋に踏み出す勇気が持てなかった。
俺は五年前、悪友と会社を立ち上げるべく奮闘した。
俺が社長で悪友が副社長だ。
副社長の名前は東條健、しかし兄弟でもなんでもない、偶々苗字が同じだった。
だから会社名はすんなり決まった。
健はいつも冷静で、俺の判断を注意する役回りだ。
俺は亜紀とニューヨークの街を堪能した。
楽しかった、こんなにも幸せな気分を味わえたのは久しぶりだった。
亜紀は五年前に亡くなった彼女に似ていた。
だから余計に惹かれたのかもしれない。
「亜紀、スマホ出して」
亜紀はスマホを俺に渡してくれた。
連絡先を交換した。
「これが俺の連絡先だ、日本に帰ったら結婚しよう、仕事を片付けたら連絡する」
「本当ですか」
「ああ、亜紀は俺以外の男に抱かれちゃダメだぞ」
「はい」
結婚を約束していた彼女が病気で帰らぬ人となった。
途方にくれていた、あれから五年も経つと言うのに、まだ新しい恋に踏み出す勇気が持てなかった。
俺は五年前、悪友と会社を立ち上げるべく奮闘した。
俺が社長で悪友が副社長だ。
副社長の名前は東條健、しかし兄弟でもなんでもない、偶々苗字が同じだった。
だから会社名はすんなり決まった。
健はいつも冷静で、俺の判断を注意する役回りだ。
俺は亜紀とニューヨークの街を堪能した。
楽しかった、こんなにも幸せな気分を味わえたのは久しぶりだった。
亜紀は五年前に亡くなった彼女に似ていた。
だから余計に惹かれたのかもしれない。
「亜紀、スマホ出して」
亜紀はスマホを俺に渡してくれた。
連絡先を交換した。
「これが俺の連絡先だ、日本に帰ったら結婚しよう、仕事を片付けたら連絡する」
「本当ですか」
「ああ、亜紀は俺以外の男に抱かれちゃダメだぞ」
「はい」