「えっ?僕に惹かれていくって言ったの」

次の瞬間、滝本先生は三船を引き寄せ抱きしめた。

「滝本先生、いけません、ここは病院です、誰かに見られたら誤解されます」

「僕たちは結婚するんだから何にも問題はないよ」

「滝本先生」

「もう一度プロポーズする、僕と結婚してくれ、返事はYESしか受け付けないよ」

「はい」

俺はその場にいることが悪いような気持ちになったが、三船がはいと返事して安堵した。

「滝本先生、三船、おめでとうございます」

「ありがとうございます」

「実は俺と亜紀も婚姻届を提出したんだ」

「そうなの?良かったわね、あとは早く目覚めてくれるといいわね」

「そうだな」

でも、亜紀は全く目覚める気配はなかった。

それから一ヶ月の時が流れた。

俺はずっと亜紀の傍に寄り添っていた。

疲れがピークに達して、居眠りをしてしまった。

「理樹さん」