「あなたが武石先生の想い人っていうのは本当なの?」
「そんなの、武石先生本人に聞いてください」
「っ、嘘よね?貴女みたいな子が先生の想い人なはずないもの」
「そう思うならそうなんじゃないですか」
そう吐き捨てた瞬間、
パンッ!!!
大きな音とともに左頬がジン…ッと痺れ、彼女に平手打ちされたのだと解った。
「っ馬鹿にしないでよ!!」
「馬鹿になんてしていません。…おっちゃん、ごめん。やっぱり今日は帰るわ」
途中、「凛々っ!」って天音がわたしを呼んだけれど、それに応えることなく店を飛び出した。
「ハァッ、ハァ…ッ」
ムシャクシャした気持ちを発散するように走れるだけ走ったけれど、アルコールが入っているせいなのか、それとも単なる運動不足なのか、お店からたいして離れていないところでもう肩で息をして、近くの電柱によりかかった。
…なんなの?武石先生も、あの女の人もなんなのよ。
表しようのない感情が渦巻いて、おかしくなりそう。
コンビニでお酒買って飲み直そう。今夜はやけ酒だ。


