大失恋したら年下王子様の溺愛が待っていました。


げんなりしていると、凄まじい怨念バリの視線を感じてその方へ顔を向ければ、さっき武石先生にすり寄っていた美人さんがわたしの事を睨んでいた。

…いや、なにもそんなに睨まなくても。

そんな視線から逃れる為にわたしはカウンターに居るおっちゃんの方へ居直る。

「ビールが不味くなっちゃったじゃん」

ボソッと独り言を呟けば、おっちゃんは何も言わず苦笑を漏らした。

そんなわたしの心情なんてつゆ知らず向こうの親睦会は盛り上がっていて、女性陣は武石先生に群がり、一部の人は天音にも絡んで連絡先をしつこく聞いている女性も見受けられた。

なんだこれ。ここに居ても不愉快でしかない。

やっぱり帰ろう。

そう席を立とうとした時、

「ちょっといいかしら」

綺麗なソプラノがわたしのすぐ横から聞こえてきて、条件反射的に振り向くとさっきの美人さんがいた。

「…なんですか?」

彼女も機嫌悪そうにしていたが、わたしはわたしで機嫌が悪くて自然と声が低くなる。

そんなわたしの態度にムッとした様子だったけれど、そんなの知ったこっちゃない。