「ほんと凛々ちゃんは美味しそうに飲んでくれるわよね。見ていて気持ちいいわ」
「店長、あんまり凛々をおだてないでくださいよ。いっつもそれで飲みすぎるんだから」
着替えを済ませた天音がおっちゃんを窘(たしな)める。
「ハイハイ、すんませんね。彼氏に注意されたんじゃ従わなきゃね」
「えっ!?天音、おっちゃんに話したの!?」
「いけなかった?」
なんの悪びれもなく応える天音。
「い、いえなくはないけど…」
「けど?」
「は、恥ずかしいじゃん、」
ヤバ…、わたし今ぜったい顔赤い。
チラリと天音に目線を向ければ、そこには破顔した彼が…。
「凛々ってなんでそんなに俺のこころ弄(もてあそ)ぶの?」
「なっ!も、弄んでなんかいないもんっ」
「ほぉーらっ!いつまでもイチャついてないで仕事しなさいよっ」
おっちゃんがパンパンっと手を叩く。
「あれ?でもおっちゃん。今日いつもよりお客さん少なくない?」
いつもは混み合っている時間帯なのになんだかガランとしている。
「今日はそこそこの人数の予約が入っていてね。だからなのよ」
「へぇ。街コンかなにかなのかなぁ」
「そ・れ・が!ドクターと看護師の親睦会(しんぼくかい)なんですって!」


