「冨永さん?」
「あ、あははっ。元彼に振られてすぐ新しい彼氏作るって、わたしも大概ですよね」
昨日もこんな自虐的なセリフ吐いたなぁ…。
「…べつに、いいんじゃないかな」
「え?」
「人との縁なんて出逢うタイミングとか関係ないと思う。何年も待ってようやく縁に恵まれる人もいるだろうし、逆に冨永さんみたいにすぐに出逢える人もいる。それぞれでいいんだよ、きっと」
ねっ?と微笑む西川くんがこの時ばかりは爽やかな好青年に見えた。
普段の西川くんは、爽やかさのかけらもない程なんだけど、見直したよ!西川くんっ!
「あ、もう上がる時間だよ。今日は仕事暇だったお陰で冨永さんの恋バナ聞けて楽しかった!また暇なときにでも近況聞かせてよ」
ニッコリ笑う西川くんにつられてわたしも笑顔で、
「はいっ!わたし、今度は西川くんの恋バナが聞きたいですっ」
「っえ、」
明らかに動揺している西川くん。
…知っているんだよねぇ、わたし。
「この間、可愛い女の子と手を繋いで歩いているところ、見ちゃったんですよね」
「っ!あ、あれは、そのっ…!」
いつも冷静沈着な西川くんが慌てている。
いいものが見れたな。
「じゃ、お疲れ様でーす」
ニヤニヤが止まらないままコンビニを後にすると、まるで当たり前のように目の前にいる天音。
途端に顔がカァッと熱を持つ。


