「なんてことを……」
「ど、どこか、お怪我は……」
「食べ物を無駄にするなんて……」
わなわなと体を震わすジェシカに、もしかして相当怖い思いをしたのだろうかと、騎士が手を伸ばしてくるも、ジェシカは気付かず。バッと集まっていた男どもに鋭い視線を向けた。
行き場を失った騎士の腕は、宙に浮いたままだ。
「罰が当たるわよ。反省なさい!!」
いささか的外れなジェシカの叫びに、もはや騎士でさえ言葉を失った。
「こんなに素晴らしい料理を無駄にするなんて……いいですか!! この料理がこうしてここに並べられるまでに、どれだけの人がかかわり、苦労してきたのか考えたことがありますか!!」
熟れた苺から発せられる予想外の言葉に、周りは凍り付いたままだ。
「野菜や豚や牛を育てる人。魚や貝を採ってくる人。運ぶ人、調理する人。そこにはたくさんのお金や時間も費やされ、こうしてここに並べられているのです。それを、それを……こんなふうにダメにしてしまうなんて……許せません!!」
もはやどこから何を突っ込んでいいのか……。
唖然とする面々をよそに、ジェシカは手の付けられていない皿を持ち、倒れたテーブルに近付く。
「これはまだ大丈夫ね」
「こっちも助かったわ」
「ああ……このお肉。美味しかったのに。床に落ちてしまってるわ」
どうやら、料理が無事か無事じゃないのか選別をしているらしい。その令嬢らしからぬ姿に、ますますポカンとする面々。
「あぁ……これもダメになってしまってるわ」
「よかった。デザートのテーブルは無事ね」
新しい皿を手に、ジェシカはさらに選別を進めた。
「ど、どこか、お怪我は……」
「食べ物を無駄にするなんて……」
わなわなと体を震わすジェシカに、もしかして相当怖い思いをしたのだろうかと、騎士が手を伸ばしてくるも、ジェシカは気付かず。バッと集まっていた男どもに鋭い視線を向けた。
行き場を失った騎士の腕は、宙に浮いたままだ。
「罰が当たるわよ。反省なさい!!」
いささか的外れなジェシカの叫びに、もはや騎士でさえ言葉を失った。
「こんなに素晴らしい料理を無駄にするなんて……いいですか!! この料理がこうしてここに並べられるまでに、どれだけの人がかかわり、苦労してきたのか考えたことがありますか!!」
熟れた苺から発せられる予想外の言葉に、周りは凍り付いたままだ。
「野菜や豚や牛を育てる人。魚や貝を採ってくる人。運ぶ人、調理する人。そこにはたくさんのお金や時間も費やされ、こうしてここに並べられているのです。それを、それを……こんなふうにダメにしてしまうなんて……許せません!!」
もはやどこから何を突っ込んでいいのか……。
唖然とする面々をよそに、ジェシカは手の付けられていない皿を持ち、倒れたテーブルに近付く。
「これはまだ大丈夫ね」
「こっちも助かったわ」
「ああ……このお肉。美味しかったのに。床に落ちてしまってるわ」
どうやら、料理が無事か無事じゃないのか選別をしているらしい。その令嬢らしからぬ姿に、ますますポカンとする面々。
「あぁ……これもダメになってしまってるわ」
「よかった。デザートのテーブルは無事ね」
新しい皿を手に、ジェシカはさらに選別を進めた。


