(仮)愛人契約はじめました

 


 なんか叩き出されてしまった……。

 唯由は、研究棟を振り返りながら、蓮太郎に悪態をついている美菜と一緒に歩いて帰る。

「あんた、これから暇?
 何処か食べに……」
と美菜が言いかけたとき、唯由のスマホが鳴った。

「今日、遅くなっても行く」
と蓮太郎からメッセージが入っていた。

 ふたりでそれを覗き込んで見てしまう。

 美菜が、チッと舌打ちした。

「なにそのラブラブッ。
 やっぱ、帰るわっ。

 まーくんに電話するっ。
 今日はいろいろありがとうねっ、蓮形寺っ」
と美菜は去っていった。

 唯由はバス停に向かって歩きながら、
「今日、遅くなっても行く」
という蓮太郎のメッセージを見て微笑んでいたのだが、いつの間にか、自分の真横に並んで歩いている誰かがいるのに気がついた。