(仮)愛人契約はじめました

「此処なのっ!?
 いつも雑誌に出てる凄い宿じゃんっ。

 あんたって、お嬢様だったのねっ」

「いやそれ、うちじゃなくて、おばさんちの宿ですから」

 宿も今は何処も大変……と言いかける唯由に、
「行きたい行きたいっ。
 もう絶対、キャンセル出たら教えてっ。

 ていうか、あんたたちと一緒でもいいわっ」
と騒ぎ出す。

「……来なくていい」

「なにヤンバルクイナのくせに、ちゃっかり可愛い新人に手を出して、ラブラブ旅行とかしようとしてんのよ」
と言う美菜と睨み合う。

「いいなー。
 私も行きたいなー、唯由ちゃん」

 紗江まで話に割り込んできて、人のいい唯由が、
「あ、じゃあ、一緒に行きますか?」
と笑顔で紗江まで誘う。

「ほんとー?
 じゃあ、れんれんのお母さんと一緒に行……」

「帰れ、蓮形寺」

 このままでは、確実に団体旅行になる、と思いながら、蓮太郎は唯由たちを追い返した。